【重要文化財】住吉神社本殿保存修理工事
建造物装飾
平成28年2月から12月まで、重要文化財住吉神社本殿保存修理工事が実施され、弊社は塗装工事を担当致しました。
過日無事に竣工を迎えましたので、お知らせ致します。
住吉神社本殿の概要
名称:住吉神社本殿(すみよしじんじゃほんでん)
員数:1棟
棟年代(西暦):明応二年(1493)(棟木・天井梁・内陣扉小脇板墨書銘))
構造及び形式等:三間社流造、檜皮葺、正面西向き
文化財の区分:重要文化財
指定年月日:昭和三十五年(1960)六月九日
所在地:兵庫県加東市上鴨川
所有者:宗教法人住吉神社
その他:附棟札一枚(建立貞享三年丙寅三月十五日の記)
修理履歴
貞享三年(1688) 屋根葺替、軒廻り(丸桁含む)新調、向拝頭貫・蟇股・木鼻等修理
享保六年(1721) 屋根・小屋組・野棰修理
文久二年(1860) 屋根葺替
明治二十六年(1893) 向拝浜床修理
大正七年(1918) 箱棟・鬼板・千木・勝男木等新調
昭和二十五年(1950) 屋根葺替
昭和四十五年(1970) 解体修理
平成二十八年(2016) 屋根工事、塗装工事
この地方は、和泉の住吉神社の荘園であったことから、数多くの住吉神社があります。
当住吉神社は上鴨川の鎮守で、創建は正和五年(1316)頃と推定されています。
毎年十月の二日間に亘り、宮座が奉納する神事舞(重要無形民俗文化財)でも知られています。
この神事に関連する舞殿、長床等の建物も、古い配置形式を留めています。
今回の保存修理工事における塗装工事では、外部塗装を全面的に塗り替えました。
彩色塗装の剥落・汚損だけでなく、高欄擬宝珠や向拝蟇股・木鼻、手挟の木部欠損・欠失も進んでいたので、現状を十分精査の上、再現しました。
宗教法人住吉神社様、公益財団法人文化財建造物保存技術協会様、株式会社村上社寺工芸社様、関係各位のご尽力に敬意を表し、改めてお礼申し上げます。