浄土宗西山深草派高城山十念寺 欄間修理・レプリカ製作
この度、浄土宗西山深草派高城山十念寺様の欄間の修理をさせていただき、先日納品と取り付けが完了いたしました。
2022年12月、住職の後藤崇圭様より、本堂内外陣境の欄間の修理についてご相談をいただきました。
現地に伺って拝見したところ、欄間に描かれている唐獅子牡丹の絵については復原はそう難しいことではないものの、基底材には「胡粉砂摺り」という技法が使用されていることが分かりました。広間や書院式の茶室の天井などにも用いられてきた伝統的な技法で、板材に胡粉と砂を摺り込むことでわざと凹凸を作り、木目を浮き上がらせて白い風合いを出す仕上げ方法です。
原本については約250年前に寄進された大変貴重なものであり、絵具の剥落等傷んでいる部分を修理して保存することと、伝統的な砂摺り技法の継承のためにも、今回欄間の複製(レプリカ)を製作することが決まりました。
そこで建具の選定保存技術保持者である鈴木正先生にご相談したところ、胡粉砂摺りの板の製作と建具の監修をお引き受けくださり、その板に弊社にて絵の復原を行い、レプリカの完成に至りました。
雄々しく躍動的な唐獅子牡丹絵の復原のみならず、伝統技法を用いた欄間の複製という意義深いお仕事をさせていただき、大変勉強になりました。
十念寺様、鈴木正先生はじめお世話になりました関係各位にこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
胡粉砂摺・建具監修 選定保存技術保持者(建具製作)鈴木正先生
建具製作 株式会社トクダ様
絵画調査・修復・復原 有限会社川面美術研究所
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